はじめに
この記事では、チームを最大限に活かし、より少ない労力でより大きな成果を上げるための「エッセンシャル思考」のリーダーシップについて解説します。
リンクトインのCEOが実践するこの思想を取り入れることで、チームのパフォーマンスを飛躍的に高め、仕事と私生活の両立を実現できるでしょう。
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最終章
-エッセンシャル思考のリーダーシップ-
世界最大級のビジネス特化型SNS、リンクトインのジェフ・ワイナーCEOは、「より少なく、しかしより良く」がリーダーシップの決め手だと考えている。
なぜなら、彼がリンクトインのCEOに就任したとき、数々の魅力
的なチャンスに流されず、もっとも重要な仕事だけを追求していったからだ。
彼は社員たちに「FCS(フォーカス)」の思想を繰り返し語る。
「少数のことをより良くやれ」
「正しい情報を正しい人に正しいタイミングで伝えろ」
「意思決定のスピードと質を追求しろ」
という3つのセンテンスの頭文字をとったものだ。
これは、エッセンシャル思考のリーダーシップを簡潔に的確に言い表している。
♢エッセンシャル思考のチームをつくる
エッセンシャル思考は個人にとってだけでなく、チームや会社の運営にとっても非常に重要なものだ。
実際に、本書に出てくるアイデアも、経営者たちとマネジメントについて話し合うなかで明確になってきたものが多い。
著者はこれまでにチームのパフォーマンスについて、500人以上の経営者やリーダーにインタビューを行い、
1000を超えるチームのデータを収集した。
その結果、チームのパフォーマンスは「目的の明確さ」に大きく左右されることがわかった。
ある会社の副社長は、「明確さがすなわち成功なのです」と言っていた。
エッセンシャル思考のマネジャーは、けっしてすべてをやろうとしない。明確な目的を持って仕事を精選し、あらゆる業務を「より少なく、しかしより良く」の方針で実行する。
その結果、チームの結束は強まり、さらなる高みへとブレイクスルーできる。
♢エッセンシャル思考のリーダーはいかにチームを率いるか
・人選にこだわり抜く
非エッセンシャル思考のリーダーはこれといった基準もないままに人を雇い入れる。その結果、ダメな部下の管理や教育に多大な時間をとられてしまう。
一方、エッセンシャル思考のリーダーは、人材の選別にこれでもかというほどこだわり抜く。けっして妥協せず、確固とした基準を持って完璧な人材を選びとる。
そして、足手まといとなる人材は容赦なく切り捨てる。
その結果、一流の人材ばかりが集まり、さらにチームの相乗効果で個々の集まり以上の力を発揮できる。
・目的が完全に明確になるまで話し合う
非エッセンシャル思考のリーダーは目的が不明確なので、中途半端にあらゆることに手を出そうとする。
その下で働かされるメンバーは、山ほど仕事を振られてどの方向にも少しずつしか進めない。
対して、エッセンシャル思考のリーダーは目的を明確にする。そうすると、全員が同じところを目指し、一致団結して進んでいけるようになる。
・メンバーの役割をあいまいにしない
非エッセンシャル思考のリーダーは仕事の振り方があいまいで、役割と責任を明確にしない。フレキシブルやアジャイルといった言葉を使って正当化しようとする人もいるが、そんなものは言葉の濫用だ。
何を達成すべきかがわからないので、ただ忙しいふりをして「できる」と見せかける人も出てくる。
一方、エッセンシャル思考のリーダーは、各メンバーの役割をとことん明確に規定する。あいまいな言葉は使わない。
・正しい情報を正しい人に正しいタイミングで伝える
非エッセンシャル思考のリーダーは、情報を伝えるのが下手だ。抽象的でわかりにくい言葉を使い、言っていることもコロコロ変わる。結局何が言いたいのかよくわからない。
一方、エッセンシャル思考のリーダーは、具体的で簡潔な言葉を使い、誤解の余地がないように話す。
無意味な流行り言葉は使わないし、つねに言うことが一貫している。
だから、部下たちもなにが重要かをはっきりと理解し、ノイズを避けて本質を選びとることができる。
・小さな進歩を重ねているかどうか、適切にチェックする
非エッセンシャル思考のリーダーは部下の指導が下手だ。そもそも仕事を大量に振るので、誰が何をやっているのかわからない。
だから部下の方も、適当に手を抜くことを覚えてしまう。
真面目にやったところで、どうせ上司はこの仕事を振ったことなど忘れているのだ。
一方、エッセンシャル思考のリーダーは、各メンバーのやることを明確にしているから、その後の確認もわかりやすい。
自分のやったことをきちんと見てもらえるので、部下のほうもがんばろうと思える。
「より少なく、しかしより良く」の方針でチームを率いれば、チームのパフォーマンスは大きく向上し、本当に意味のあることが達成できる。
結び
エッセンシャル思考のリーダーシップを実践すれば、チームの士気が高まり、生産性が最大化されます。
この機会に、自分のリーダーシップスタイルを見直し、「より少なく、しかしより良く」を合言葉に、豊富な経験と知恵を存分に発揮してみませんか?
チームを一丸となったエッセンシャルな集団に導き、家庭と仕事の両立を実現する第一歩を踏み出しましょう。