第20章 未来-エッセンシャル思考を生きる-

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目次

はじめに

人生にとって何が本当に大切なのか。

この問いに行き着いた人々がいます。

その中の一人、弁護士を目指していたマハトマ・ガンジーは、旅先で目にした抑圧的な現実に直面し、全てを投げ出して新たな道を歩み始めました。

彼のように、些細な出来事が人生観を180度変える経験は、私たちにも待っているかもしれません。

そのとき、「本当に重要なことは何か」を問い続けることが、意味ある人生への第一歩となります。

この記事は約2000字です。
時間にして約5分で読むことができます。

第20章 未来
-エッセンシャル思考を生きる-

すべてのはじまりは、彼がイギリスで弁護士になる勉強をしていたときのことだった。暮らしは裕福で、学業も順調。未来は明るく開けていた。

毎朝目を覚ますと、彼はたしかな自信を感じた。自分のやるべきことはわかっていた。法廷弁護士の資格をとり、快適な暮らしを手に入れるのだ。

そんなある日、彼は旅に出ていろいろな世界を見てみることにした。

この旅が、すべてを変えた。

マハトマ・ガンジーは南アフリカで、弾圧されている人びとを見た。

彼はその瞬間、世界からそうした抑圧をなくすことが自分の使命であると確信した。

ガンジーは新たな目標に向かうため、それ以外の生活のすべてを捨てた。

質素さを徹底した暮らしで、亡くなったときの所持品は、10個に満たなかったそうだ。

ガンジーのように生きろとは言わない。しかし、本質的な目標のために余計なものを削ぎ落とす生き方は見習うべきだろう。

世界的な偉人でなくても、シンプルで意味のある生き方をすることは可能だ。

この章の目的は、学んだことを人生のすみずみまで浸透させ、エッセンシャル思考を生きる人になってもらうことだ。

♢本質を生きる方法

エッセンシャル思考の実践には、2つのアプローチがある。

ひとつは、生活のあちこちに取り入れる方法。

もうひとつは、エッセンシャル思考を生きるという方法だ。

前者は忙しい日々にまた別のスキルを付け加えるにすぎない。

しかし、後者は違う。

エッセンシャル思考を生き方の基本に据え、何をするにもそこから考える。

エッセンシャル思考が、自分という人間の核になる。

社会的に大きな成功を収めた人のなかにも、エッセンシャル思考の人は多い。

その分野は宗教的リーダー、ジャーナリスト、政治家、弁護士、医者、投資家、アスリート、作家、アーティストなど多岐にわたる。

「より少なく、しかしより良く」を生き方として貫いている。

♢自分の中心にエッセンシャル思考を据える

エッセンシャル思考の目的は、世間的な成功を手に入れることではない。

人生に意味と目的を見出し、本当に重要なことを成し遂げることだ。

将来自分の人生を振り返ったとき、どこにでもありそうな達成リストが並んでいるよりは、自分にとって本当に意味のあることを、ひとつ達成したと確信できるほうがいい。

ギリシャ語には「メタノイア」という単語がある。心の変容を表す言葉だ。ただ、頭で考えるのではなく、心で感じること。それが人の変容をもたらす力になる。

「人は心で思うところのものになる」という言葉があるように、心の奥までしみ込んだ考えが、私たち自身を形づくっていく。

考え方が心の底までしみこんだとき、それは自分を内側から変える力になる。

エッセンシャル思考を生きる人は、周囲の人と同化しない。人がイエスと言うとき、あなたはノーと言う。

なんでもノーと言うのではなく、大切なのは「選ぶ」ということだ。周囲に流されず、自分自身の選択をしよう。

♢シンプルな人生は幸福である

エッセンシャル思考を身につければ、その恩恵は一生ものだ。

どんないいことがあるのか、具体例をあげていく。

・迷わない

大量のやることを効率的にこなすより、そもそもやること自体が少ない方がいい。しっかり優先順位を決めることができれば、やるべきことが明確になる。

・流されない

エッセンシャル思考の人は、自信を持って立ち止まり、ゆっくりと考え、きっぱりとノーを言うことができる。

他人の言いなりにならないためには、自分で優先順位を決めるしかない。最初は尻込みするかもしれないが、やろうと思えばきっとできる。

自分の力を信じよう。

・日々が楽しくなる

自分のやるべきことが見えてくると、日々の暮らしが充実し、今をもっと楽しめるようになる。

著者もエッセンシャル思考のおかげで人生がシンプルになった。そのおかげで、数々のかけがえのない思い出ができたし、楽しいと思えることが増えた。

♢本質を知り、本質を生きる

エッセンシャル思考の生き方は、意味のある生き方だ。

本当に大切なこと大切にする生き方だ。

そのことを考える時、著者はいつも、ある男性のことを思い出す。

その男性は3歳の娘を亡くした。

彼は、娘の短い人生を形に残すために、一本の動画をつくることにした。

しかし、あまりにも物足りない。普段から、旅行や外出の際には必ずカメラをまわしていたが、移っているのは風景や建物や食べ物ばかりだった。

娘の顔のアップは数えるほどしかない。

旅行先の珍しいものを撮るのに夢中で、本当に大切なものをおろそかにしていた。

この話は2つの教訓を与えてくれる。

ひとつは、自分にとって家族がどれほど大切かということ。

もうひとつは、人生の残り時間が本当にわずかしかないということ。

豊かで意味のある人生を選ぶか、それとも苦痛と後悔に満ちた人生にあまんじるか。

人生の分かれ道に直面したら、自分自身にこう問いかけよう。

「本当に重要なことはなにか?」

それ以外は全部捨てていい。

結び

毎日の生活に埋没し、本当に大切なものを見失いがちです。

しかし、ひとたび「本当に重要なことは何か」を自問すれば、これまでの価値観が見直され、新たな視点が開かれることでしょう。

人生を豊かで意味あるものへと切り替えるには、今この瞬間から、エッセンシャル思考を実践することが欠かせません。

一歩を踏み出す勇気を持ち、本質的な生き方を選びませんか?

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