Prologue エフォートレス思考とは

  • URLをコピーしました!
目次

はじめに

皆さん、日々の忙しさにストレスを感じていませんか?

今こそ、エフォートレスな精神を取り入れる絶好のチャンスです。

頑張りすぎずに成果を上げる方法があるのをご存知でしょうか。

この記事では、心の余裕を持ちながら最高のパフォーマンスを発揮する秘訣を紹介します。

文字数にして約3000字です。
時間にして約6分で読むことができます。

Prologue エフォートレス思考とは

パトリック・マクギニスは優秀な人間だった。

名門大学を卒業し、ハーバート・ビジネススクールで経営を学び、超一流の金融機関に就職した。

仕事は多忙を極めた、週の労働時間は80時間に達し、休みはまったく取れない。

体調が悪くても休むわけにはいかず、重役会議の最中にトイレに駆け込んで吐いたこともある。顔色が真っ青だと言われたが、根性で乗り切った。

「人間は努力してこそ一人前だ」

彼には、そういう価値観を刷り込まれていた。

2008年、彼の勤めていた巨大企業が実質的に破綻した。

企業の名前はAIG。金融危機のダメージをもろにくらい、彼が保有していた株が97%値下がりした。

いままでやってきたことは、すべて無に帰した。

「頑張って働けば、どんな問題も解決できると思ってました」と彼は言う。

しかし、どんなに頑張ったところで、利益率はマイナスだった。

では、どうすればいいか?

選択肢は3つだった。

1.このまま死ぬまで頑張り続ける

2.成功をあきらめて楽な仕事をする

3.頑張らない働きかたでうまく成功を手に入れる

彼が選んだのは3つめの選択肢だった。

彼は役員の座を手放し、コンサルタントとして会社にとどまった。

定時に帰宅するようにし、週末にメールをチェックするのもやめた。

睡眠時間も増やし、運動も始めた。だんだんと生活が楽しいと感じられるようになった。

彼はこの経験から、大きな教訓を得た。

頑張ってもうまくいかないなら、別の道をさがしたほうがいい。

これを読んでいるあなたはどうだろう?

こんな風に感じたことはないだろうか?

・走っても走っても、ゴールに近づけない

・もっと成果を出したいのにエネルギーが足りない

・このままでは燃え尽きてしまいそうだ

・いったいどうして、こんなに何もかも大変なのか

ひとつでも思い当たるなら、本書はあなたのためにある。

どうしてこんなに何もかも大変なのか

人生は潮の満ち引きのようなものだ。

何事にもリズムがある。

ところが、現代人はひたすら頑張り続けている。

くたくたに疲れていなければ、サボっていると言われる。

つぶれるまで働かなければ、ダメなやつだと言われる。

ゴールは人の限界を超えたところにあるみたいだ。

頑張りが成果につながることは事実だ。だが、それには限界がある。

つぶれるまで頑張ったのに、結局は何も得られない。

そこで、ためしに逆のアプローチをとってみたらどうか。

限界を超えて頑張るのではなく、もっと簡単な道を選んでみたらどうだろう。

大事なことを言おう。

働き過ぎはけっして名誉ではない。

♢大きな石が多すぎる

著者は、前著『エッセンシャル思考』を出版したあと世界中を飛びまわった。各地で公演をし、サイン会を開き、大切なメッセージを人々に語った。

世界中を飛び回る一方で、著者は4人の子どもの父親だ。

著者にとって家族は最優先事項だ。どんなに忙しくても、彼らの為に時間を割いてやりたいと思っていた。

その時間を捻出するために、優先順位の低い仕事をどんどん削っていった。

本の執筆も断った。スタンフォード大学の講師の仕事も少なくした。新しいビジネスもいったん保留にした。

これ以上削れないというところまで削った。

ところが問題はそれでも忙しすぎることだった。

著者はエッセンシャル思考を体現しようと頑張っていたが、別の問題に直面していた。

本質的なことだけに絞り込み、しかしそれでも多すぎるときには、どうしたらいいのだろう?

出張先の夜、ホテルでそんなことを考えているとき、スマホが鳴った。息子のジャックからだった。めったにないことなので心配になった。なんだか顔色が悪くおびえているようにも見える。

後ろから妻のアンナが「画面をこっちに向けて、映して」とジャックに言った。

ジャックはなんとか状況を説明しようとしていた。

「イヴが大変なんだ…ご飯を食べていたら、急に頭がガクガクして…だからママがパパに電話しなさいって」

娘のイヴが、てんかん発作を起こしていたのだった。

なにを考える暇もなく、急いで荷物を詰め込み、夜行便で家族のもとへ飛んだ。

それからはストレスの連続だった。病院に通い、医師と何度も話し合った。

そんな緊急事態でも仕事が消えてなくなるわけではなかった。

重荷は限界を超え、すっかり燃え尽きてしまっていた。

気が焦るばかりで、なにもうまくいかない。

まるで非エッセンシャル思考だ。

正しい基準で、正しい事をやろうとしていた。

しかし、やり方が間違っていた。

そのときのやり方は、まるでパン生地をこねる機械を持たずに、手ごねで大量のパンをつくるパン屋のようなものだった。‌‌

あなたにも、覚えはないだろうか。

‌‌本当に大事な仕事をやっているのに、どこか楽しめない。

全力を出しているのに、全然足りない。

エッセンシャルな仕事だけをやっているのに、なぜか時間がない。

もっとやりたいことがあるのに、どこにも余裕がない。

力ずくで成果を上げても、疲れすぎて喜ぶ元気もない。

そんなあなたに伝えたいことがある。

今のやり方が唯一ではない。

エッセンシャル思考は、「なにを」やるかを教えてくれた。

エフォートレス思考は、「どのように」やるかを極める技術だ。

誰だって、本当に大事なことをしたいと思っている。

問題は、どんなにやる気があっても、リソースが限られていることだ。

本当に大事なことで成果を出したいと思うなら、働き方と生き方を根本的に変える必要がある。

力ずくで頑張るのではなく、いちばん楽なやり方で最優先事項に取り組もう。

力を抜くことは、後ろめたいかもしれない。

だが、力を抜いて成果を出すのは、けっして怠惰なことではない。

もしも瑣末なものごとが困難になり、本質的なものごとが簡単になったら、いったい何が起こるだろう?

エフォートレス思考とは、働き方や生き方を、すっかり変えてしまう試みだ。

エフォートレス思考の3ステップ

本書は3つのパートにわかれている。

概要は以下の通り。

PART1 エフォートレスな精神

頭のガラクタを片付けて、余裕のマインドを手に入れる

PART1では、エフォートレスな精神を手に入れるための、実践的な方法を紹介する。

PART2 エフォートレスな行動

もっとも効率のいいポイントを見つけて、余裕で最高の成果を出す。

PART2では、やるべきことをなるべくシンプルに、簡単にやり遂げる方法を紹介する。

PART3 エフォートレスのしくみ化

行動を自動化し、成果が勝手についてくる仕組みをつくる

PART3では、余裕で成果を上げ、さらに余裕で出した成果が勝手に増える方法を紹介する。

エフォートレスな精神、行動、そしてしくみ化とは、どういったものか?

バスケットボール選手のフリースローを想像してほしい。

最初に選手は「ゾーン」に入る。その後、集中力を高める儀式として、何回かボールをバウンドさせる。どんどん頭の中がクリアになっていく。

これがエフォートレスな精神だ。

次に選手は膝を曲げて、肘を正しい角度にセットする。そして最小限の動きでボールを手放す。この段階で選手は頭を使っていない。ただ流れに任せて実行する。

これがエフォートレスな行動だ。

最後に、選手が放ったボールはきれいな弧を描いてゴールに吸い込まれる。けっしてまぐれではなく、プロの選手は何度でも正確なフリースローを再現することができる。

これがエフォートレスのしくみ化だ。

いちばん大事なことを、いちばん簡単にする

本書の目的は、ただひとつ。

エフォートレスな状態を、もっと頻繁に、もっと確実に体験してもらうこと。

これを読んでいるあなたにもこんな経験があるはずだ。

リラックスしている状態で、気付いたらゾーンに入っていた。

頑張りを少し減らしてみたら、以前よりもよい結果が出せた。

ちょっとした自動化のしくみをつくったら、そのあと何度も役立った。

もちろん、人生のすべてがエフォートレスになるわけではない。

それでも、以前は不可能に思えたことがいくつも可能になり、だんだん簡単になる。

やがてエフォートレスになれば、人生に大きな余裕ができるはずだ。

結び

人生は短く、無駄な努力は避けたいものです。

エフォートレスな精神で、楽しみながらも高い成果を手にいれてみませんか?

まずは日常の小さなことから始め、徐々にこの考え方を取り入れていってください。

きっと毎日が有意義で充実したものになるはずです。

一歩を踏み出す勇気を持ってください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらフォローしてね!
  • URLをコピーしました!
目次