PART2 エフォートレスな行動、第6章 DEFINE -目標- ゴールを明確にイメージする

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はじめに

ストレスに押しつぶされそうになっていませんか?

日々の業務に追われ、本当に大切なことに集中できていますか?

今こそエフォートレスな行動を身につける時です。

この章では、最小の努力で最大の成果を上げる方法をご紹介します。

まずは目標を明確にし、エネルギーを無駄なく注ぐ秘訣をお話しします。

PART2 エフォートレスな行動

ノースカロライナ州立大学のラリー・シルバーバーグ教授は20年以上にわたり、数百万本のフリースローを研究してきた。

研究の結果、フリースローを成功させるための重要な要素は、ボールを手放すときのスピードであることがわかった。

最適なスピードでボールを投げるために、何度も練習して正しい力加減を筋肉に覚えさせる必要がある。

いちど体に覚え込ませてしまえば、あとは苦労しなくても自然にフリースローが入るようになる。

これがエフォートレスな行動だ。

フリースローをするときに力が入りすぎると失敗する。

これは仕事でも同じだ。
力が入りすぎると、思うような成果が出ない。

あるポイントを超えると、努力の量は結果に結びつかなくなる。
むしろ、パフォーマンスが落ちる。


経済学ではこれを「収穫逓減(しゅうかくていげん)」の法則と呼ぶ。

あなたにも経験がないだろうか。


人と仲良くなろうと頑張りすぎて、相手に引かれる。
仕事で評価されようと必死になりすぎて、逆に能力のない人だと思われる。
眠らなければと焦りすぎて、目が冴えてしまう。

そもそも、ものごとが本当にうまくいっているときは、頑張る必要はない。

何も考えなくても体が動く。時間を忘れ、ただ目の前のことに没頭できる。


ゾーンやフロー、ピークエクスペリエンスとも呼ばれる状態だ。

東洋哲学では、この状態を「無為」と呼ぶ。

無理に何かをしようとせず、流れに任せてエフォートレスに成果を出すということだ。

PART2では、より少ない努力で、余裕の成果が出せるようにするために、
エフォートレスな行動の身につけ方を紹介する。

第6章 DEFINE -目標- ゴールを明確にイメージする

仕事を困難にする確実な方法はなんだろうか?

それは、ゴールをあいまいにすることだ。

今から約400年前、スウェーデン国王のグスタフ2世は、艦隊を強化する必要に迫られていた。

今のままでは周辺諸国の強力な海軍から国民を守ることができない。

国王は造船技師のヘンリック・ヒベルツゾンを雇い、巨大な戦艦を作らせることにした。

「強い船ができるなら、リソースはいくらでも提供する」と国王はヘンリックに言った。

だが困ったことに、国王は船の完成イメージを明確に描いていなかった。

言うことがころころ変わる。

たとえば、はじめは船の長さは33メートルを予定していた。
しかし、37メートル、40メートルとどんどん長くなっていった。

造船チームは多大な労力を払って国王の注文に応えようとしていた。

だが、完成が近づくたびに国王は別の注文をだしてくる。

しまいには、あまりのストレスにヘンリックは心臓発作を起こしてしまった。

終わりの見えないプロジェクトはそれでも続いた。

そんな調子で、1628年8月10日にヴァーサ号は未完成のまま出航の日を迎えた。

試験航海すら十分にできていなかった。

ヴァーサ号が港を離れ、空にむかって祝砲を撃とうとしたそのときだった。

突風でバランスを崩してヴァーサ号は沈没した。

沈没するまでの時間はわずか15分だったという。
53人の乗組員は、港から1キロほどのところで命を落とした。

国王が完成像を明確にせず、最後まで使用を変更したせいで
このプロジェクトは失敗に終わった。

プロジェクトを終わらせるためには、明確なゴールが必要不可欠だ。

プロジェクトに着手する前に、まず「完了」のイメージを明確にしよう。

修正しすぎてはいけない

重要なプロジェクトが終わらない原因のひとつは、いつまでも手を加えつづけることだ。

本を書くことも、プレゼンを準備することも、船をつくることも同じだ。

修正しようと思えばいくらでもできる。

だが、あるポイントで完了させないと、あとは手間ばかりかかってしまい効果はほとんど得られない。

修正にかかる労力や時間が、それによって得られるリターンを上回ってしまう。

時間と労力を無駄にしないためにも、完了といえる明確な条件を設定し、そこにたどり着いたら終わらせよう。

1分間でゴールをイメージする

明確なゴールを心に描くことは、終わらせるためだけではなく始めるためにも有効だ。

そうすることで、進むべき道が驚くほどクリアになる。

先延ばし癖のある人は、まず何をすべきかというゴールが明確に描けていないことが多い。

たとえば、「痩せたい」というゴールがあったとする。

それをもっと明確にして「体重計を見下ろし、○○kgという数字を見ている自分」をイメージする。

仕事でも同様に、重要なプロジェクトにとりかかるときは1分間だけ目を閉じて、作業が終了したときのイメージを思い浮かべてみよう。

やるべきことが明確になれば、集中力が格段に上がる。

そこに向けて進むための意欲とエネルギーが湧いてくる。

1分間、目を閉じて心を集中させ、ゴールのイメージを明確にしてみよう。

「今日の完了」リストをつくる

多くの人は大量の「やること」を抱えている。

1日を終えてみると、「やること」がさらに増えていたという経験はないだろうか?

そんな日が続く中で、どうしたら「完了」がやってくるのだろうか?

著者が活用しているのは、「今日の完了リスト」だ。

もっとも重要で、意味のあることだけをリストに入れる。

リストをつくるときのコツは、完了したときにどんな気分になるかを想像することだ。

「このリストを終わらせたら、1日の終わりに満足した気分になれるだろうか?」と考えよう。

これを終わらせてもまだ、気がかりで夜も眠れないようなタスクが残っていたら、それは今日の完了リストに入れた方がいい。

自分の人生のミッションは何か

前述した「今日の完了リスト」は人生においても応用できる。

著者は以前から、人には必ず人生でやり遂げるべきミッションがあると考えてきた。

自分はなんのために生きるのか?

その答えを見つけることが、私たちのライフワークだと言っていいのかもしれない。

それはつまり「人生の完了リスト」だ。

著者の友人はここ数年で脳卒中を2回起こした。

2回目はかなり重く、もう助からないかもしれないと言われた。

だが、彼女は生き残った。

もう一度チャンスを与えられた今、彼女は最後のミッションをやり遂げることに集中している。

ひとつは自伝を書くこと。
もうひとつは作曲した音楽にオーラルヒストリーをつけることだ。

毎朝目を覚ますと、彼女は人生の目的を意識し、「死ぬまでに完了できますように」と祈りを捧げる。

人生の完了リストが完全に明確になっている状態だ。

これを読んでいるあなたも、残りの人生で成し遂げるべきゴールを明確にしてみてはどうだろう。

結び

人生は短く、無駄な努力に時間を費やすべきではありません。

エフォートレスに行動することで、心の余裕を手に入れられます。

まずは小さなことから始めて、少しずつこの考え方を実践していってください。

きっと仕事や日常生活への満足感が増し、ストレスから開放されるはずです。

一歩を踏み出す勇気を持ち、新しいライフスタイルを手に入れましょう。

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