はじめに
この記事の内容は、『エフォートレス思考』第11章 LEARN -学習- 一生モノの知識を身につける
の要約です。
この章では、主にどういったことを意識して知識を取り込んでいくか
を説明しています。
イーロン・マスクの思考法や、読書の意識付けなど
周りよりも一歩、二歩抜きんでることができるでしょう。
この記事の文字数は約2500文字です。
約5分で読むことができます。
第11章 LEARN -学習- 一生モノの知識を身につける
ますます忙しく加速していく生活の中で、私たちは頭を使う手間を惜しみ、手軽な解決策を求めがちだ。
だが、それは間違っている。
なぜか?
手軽な解決策は、とりあえず目の前の問題を解決するには役に立つかもしれない。しかし、原理原則を学べば、広範囲な問題に何度でも応用することが可能になる。
なぜなら、原理原則は普遍的で永続的だからだ。
つまり、手軽な解決策に頼っても直線的な成果しか得られない。
累積的な成果を得ようと思うなら、原理原則に目を向けなければならない。
生産性とマネジメント理論の初期の発展に貢献したハリントン・エマーソンは、次のような言葉を残している。
「方法は百万とあるかもしれないが、原理はわずかしかない。原理を把握した人は、自分の方法を正しく選ぶことができる。原理を無視して方法に飛びつく人は、必ず困難に陥る。」
♢正しいことを一度だけ学ぶ
すべての知識は同じ価値があるわけではない。
ある種の知識は、一度しか使えない。
たとえば試験のために徹夜で丸暗記した知識は、試験が終わればすっかり忘れてしまう。
しかし、別の種類の知識は、何度でも役に立つ。
なぜそうなるのか、どのようなしくみなのかを理解すれば、その知識を何度でも応用できる。
たとえば、チームビルディングの原則を学んだマネジャーは、その原則を数多くのチームに応用できる。
正しいことを一度だけ学ぶのは効率的だ。
事前に正しくエネルギーを投資することで、いつでも何度でもエフォートレスな成果を受け取ることができる。
目先の方法ではなく、原則を学ぼう。
♢一貫した原理を見つける
編集者のピーター・カウフマンは「世界のしくみをすべて理解したい」と考えていた。
無謀だと思われるこの考えだが、彼は近道を見つけた。
科学雑誌『ディスカヴァー』の巻末インタビューを144冊分読んだのだ。
インタビューは一般読者向けに、科学のトピックをわかりやすく簡潔にまとめたものだった。
まもなく彼は、学んでいる内容が3つのバケツに分けられることに気づいた。
第1のバケツは、無機物の宇宙。
第2のバケツは、生物学。地球上のすべての生き物だ。これは期間にして30憶年分になる。
第3のバケツは人類の歴史。
彼はそれから3つ共通点を探した。
すべてのバケツを説明できるような、一貫した原理はないかと考えた。
ついに彼は3つのバケツに共通点を見つけ、「鏡像作用」と名づけた。
つまり、「人は自分が与えたものを得る」ということだ。
この原理は様々なことに応用できる。
ある実験では、鏡像作用について調べるために、600人近くの見知らぬ人に手書きのクリスマスカードを送った。
すると、見知らぬ人たちから返事が届いた。
その数は全部で200通近くになったそうだ。
基本を理解して、様々な場面で応用しよう。
♢知識の木を育てる
テスラ社とスペースXの創業者イーロン・マスクは、機械工学や宇宙工学を専門的に学んできたと思われがちだ。
だが実を言うと、これらのベンチャー企業を立ち上げたとき、彼はどちらの分野についてもあまり詳しくなかった。
では、どうやって複雑な新しい分野をすばやく脳にインプットしたのだろうか?
ある人がマスクに尋ねてみた。すると、マスクはこう答えた。
「知識を一種のセマンティック・ツリー(意味の木)として捉えることが重要です。そして枝葉・詳細を見る前に、まず幹や大きな枝、つまり土台となる原理を理解しておくんです。そうしないと枝葉をつなぎとめることはできませんから」
新しい事を学ぶということは、試行錯誤の連続だ。試行に成功すると、神経接続が強化されて、つながりが太くなる。
木が太く強くなって新しい枝が伸びるように、私たちの脳は神経接続を強化し、そこに新たな情報を組み込んでいく。
上手く接続されない情報は、枯葉のように弱くなり、やがて消え落ちる。
♢重要な情報は外側からやってくる
有用な知識は、自分の専門分野の外側からやってくることが多い。
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の研究者が約1800万件の科学論文を分析した結果、最高のアイデアが生まれるのは、既存の知識に「意外な組み合わせの侵入」が起こったときだと判明した。
分野を超えてアイデアが結びつくと、新たなものが生まれる。
科学でも投資でも、音楽や映画も変わらない。
エフォートレスな創造性の鍵は、平凡なものを斬新に進化させることだ。
♢読書から最大限の成果を得る方法
読書は、この世でもっとも「テコの原理」が利く活動だ。
1日の労働時間とだいたい同じ長さの投資で、おそろしく賢い人々の発見や知恵にアクセスできる。
本をしっかり読んで、自分の血肉にすれば、ほかの何よりも累積的な成果を得られる。
読書から最大限の成果を得るために、以下の原則をオススメする。
・リンディ効果を利用する
リンディ効果とは、長生きすればするほど、寿命が延びる法則のこと。
本の寿命は、その本の年齢に比例する。本が古ければ古いほど、その本が将来にわたって生き残る可能性が高くなるということ。
つまり、古典など長く読まれている本を優先するといい。
・吸収するために読む
ただ「読了」を増やすためだけの読書はもったいない。
本に心から没頭しよう。
まるで自分がその体験をしたかのように、自分自身を変えることができる。
・エッセンスを抜き出す
本を読み終えたら、その本から学んだことを自分の言葉で1ページにまとめてみよう。
自分の言葉で本のエッセンスを抜きだせば、知識の吸収が深まる。
要約の作業によって、情報は理解になり、理解が独自の知識に変わる。
♢誰もやっていないことを極める
みんながやっていることを上手にやるよりも、誰もやっていないことをそこそこうまくやったほうがいい。
さらに、誰もやっていないことをとことん極めれば、あなたの価値は飛躍的に高まる。
知識の累積的な成果を得るために、まずやるべきことは、他の人から学ぶことだ。
だが最終的な目標は、自分だけの知識を見つけだし、伸ばしていくことである。
他人にとっては難しいのに、自分にとって簡単なことはないだろうか?
今ある知識を土台にして、誰よりもうまく学べそうな分野はないだろうか?
「自分だけが知っている」という状態は、テコの原理の効果を大きく得られる。
たとえば、評判のいい講演者には、引き受けられないほどのオファーくる
といった感じだ。
独自の知識を得るのは、時間と努力が必要だ。
だが一度投資をすれば、一生にわたってチャンスを引き寄せることができる。
独自の知識を開拓し、永続的なチャンスを手に入れよう。
結び
いかがでしたでしょうか?
前作の『エッセンシャル思考』でも説明がありましたが、原理原則を学ぶことが大切です。
著者は古典をオススメしています。
なぜなら、リンディ効果が高いからですね。
「論語」など読んでいると、いまの時代に通用する考えなのでとても不思議な気持ちになります。
この記事を書いているのは2024年7月3日です。
20年ぶりに新紙幣となりました。
その新紙幣で1万円の顔として渋沢栄一氏が使用されています。
なんでも渋沢栄一氏は「論語」を肌身離さず持っていたそうです。
日本経済の父と呼ばれた渋沢栄一氏の愛読書にあやかってみませんか?
こちらから是非ご覧ください。
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