はじめに
この記事は、『エフォートレス思考』第10章 PACE -上限-早く着くために、ゆっくり進む
の要約です。
この記事は普段頑張りすぎている人に読んでもらいたいです。
なぜなら、頑張りすぎるとかえって効率が悪くなるからです。
なぜそうなのか?
その理由は南極大陸を探検したチームのエピソードで紹介します。
この記事を読んだあなたは、無理をせず一定のペースで進めることの大切さを痛感すると思います。
そして、定時で帰ることでしょう。
この記事は文字数にして約1800文字。
時間にして約4分で読むことができます。
第10章 PACE -上限-早く着くために、ゆっくり進む
1911年11月、イギリス軍人ロバート・スコットと、ノルウェーのロアール・アムンセルとのあいだで南極点到達レースが開始された。
生死をかけたレースは、一方のチームは勝利して生還し、もう一方のチームは帰還できなかった。
彼らの日記を読むと、2つのチームはあまりにも進み方が異なっていた。
スコットのチームは、天気がいい日には進めるだけ進んだ。
一方、アムンセルのチームはどのような天候であろうと1日に24kmのペースで進んだ。
過酷な状況のなか、南極点まで約1040kmの道のりを制覇したのはアムンセルのチームだった。
南極点到達レースの本を書いたローランド・ハンフォードによれば、アムンセルのチームが目的地に到達できた秘訣は、一定の持続可能なペースを設定したことに尽きるという。
アムンセルは毎日24km進むと決めていた。
それ以上でも、それ以下でもなくきっちり24kmだ。
アムンセルは十分な休息を取ることにこだわり、南極点にたどり着くまで一定のペースを保ったのである。
ちなみに、スコットのチームは34日遅れで、南極点に到達した。
しかし、残念ながら前述のとおり戻ってはこられなかった。
この章では、アムンセルのように一定のペースを守ることの大切さを紹介する。
♢全力疾走はリスクが大きい
最初から大きすぎるゴールを設定すると、すぐに疲れる。
疲れて休んだら、遅れを取り戻さなくてはと、焦ってさらに頑張り、どんどん疲弊する。
重要なゴールには最初から全力で走りだしたくなるものだ。
だが、最初から急ぎすぎると息切れしてしまい、結果的には遅くなってしまうことが多い。
好調と不調の波に身を任せるのは危険だ。
速く走れた日には疲れ果て、走れなかった日には後ろめたさを感じ、往々にしてイギリスの南極探検隊と同じ運命をたどる。
幸いなことにもっといいやり方がある。
エフォートレスなペースを見つけることだ。
全力疾走が速いわけではないと理解しよう。
♢やることの上限を決める
元トライアスロン選手のベン・バーガロンは、イギリス最強のアスリートたちをコーチしている。
クライアントからの要求があれば、時間外労働をする体力がないわけではない。
しかし、仕事でもプライベートでも優れたパフォーマンスを維持するために、彼はあるルールを守っている。
そのルールとは、
「午後5時25分にオフィスを出る」
というルールだ。
暇な日は午後5時25分にオフィスを出る。
忙しい日は、それでも午後5時25分にオフィスを出る。
たとえ会議中であっても、午後5時25分にオフィスを出る。
迷う余地さえない。
周囲の人も慣れたもので、話を打ち切られても気にしない。
彼の限界が午後5時25分だと知っているからだ。
南極探検でも仕事でも変わらない。
エフォートレスなペースで進める最善の方法は、上限をしっかり守ることだ。
♢ゆっくりはスムーズで、スムーズは速い
冷戦終結以降、軍は世界情勢をブーカ(VUCA)と呼んでいる。
ブーカ(VUCA)とは
不安定:Volatile
不確実:Uncertain
複雑:Complex
曖昧:Ambiguous
の頭文字をつなげたものだ。
この新たな常態に対応すべく、日々の戦場で重要なことをより簡単におこなうためのアプローチが開発された。
そのひとつが
「ゆっくりはスムーズで、スムーズは速い」
というやり方だ。
ゆっくり動けば、ものごとはスムーズになる。
ものごとがスムーズであれば、より速く動ける。
戦場だけではなく、人生や仕事でも同じだ。
日々、複雑で不確実な状況に遭遇しながらも前進するためには、適切な範囲を選択肢、その範囲内で行動する必要がある。
どんなに周到な計画を立てていても、思わぬ邪魔は入るものだ。
進捗を取り戻そうと週末まで必死に働くが、かえって仕事の質は低下し、罪悪感が増して自信を失ってしまう。
それよりも、もっと簡単な方法がある。
X以上、Y以下というシンプルなルールを設定し、必ずその範囲に収めよう。
下限は、モチベーションを維持できる程度に高く、予想外のトラブルが起こっても達成できる程度の低さにしよう。
上限は、順調に進んでいると感じられるくらいには高く、しかし疲れてしまわない程度にしよう。
エフォートレスな行動を実現するために、
X以上、Y以下というシンプルな範囲を遵守しよう。
結び
いかがでしたでしょうか?
一番早く物事を進めるためには、ゆっくりやった方がいいというのは
とても面白いですね。
そして、作業の下限と上限を決めること。
人のエネルギーは無限ではありません。
効率よく進めるためにも「頑張りすぎないこと」が大切です。
他にも面白いエピソードがたくさんあります。
ぜひご覧ください!