第7章 START -始動-はじめの一歩を身軽に踏みだす

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はじめに

現代社会において、動画ストリーミングサービスは私たちの生活に欠かせないものとなりました。

Netflix(ネットフリックス)は、世界で1億8300万世帯(2021年時点)の顧客を持つ動画配信サービスの先駆けです。

その誕生のきっかけは、創業者のリード・ヘイスティングスが映画のレンタル返却を忘れ、高額な罰金を請求されたことにあります。

この経験から、より良いレンタルシステムを作ろうと考えたのです。

第7章 START -始動- はじめの一歩を身軽に踏みだす

Netflix(ネットフリックス)は今や世界で1億8300万世帯(出版された2021年時点)の顧客を持つ動画ストリーミングサービスだ。

このサービスが生まれたきっかけは、創業者のリード・ヘイスティングスがレンタルビデオ店で借りた『アポロ13』のビデオを紛失し、40ドルの罰金を請求されたことだった。

こんな思いをしなくてもいいように、もっとマシな映画レンタルの方法を作りたい、とヘイスティングスは考えた。

Netflixは、ネットでレンタル注文をしてDVDを郵送で貸出と返却をするサービスをする会社として創業した。

しかし、彼がまずやったことは1枚のCDを自分あてに送ることだった。

もしDVDが配送中に壊れてしまうなら、何をどんなに考えたところでビジネスは不可能だ。

共同創業者のマーク・ランドルフと一緒にレコードショップでCDを購入した。

それから、グリーティングカードを入れるような封筒に入れて、自分あてに郵送した。

CDは壊れずに自宅に届いた。

彼らは考えられるなかでも一番シンプルな一歩を踏み出したのだった。

彼らは当初、壮大なビジョンを持っていた。

その完成形は、現在のNetflixのように大量のコンテンツを提供する、グローバルなストリーミングサービスだ。

だが、複雑で壮大なロードマップを描く代わりに、彼らは考えられるなかでもっともシンプルな一歩を踏み出した。

彼らのように、やるべきことを分解し、最小のステップに落とし込み、もっともシンプルな行動から始めてみよう。

最小限の機能で最大限の学びを得る

何かに取りかかるとき、頭の中でさまざまなシナリオを練り、ただ悩むことに多くの時間と労力を費やしていないだろうか?

デザイン思考の原則に、MVP(実用最小限の製品)というものがある。

『リーン・スタートアップ』の著者エリック・リースは、MVPを「最小限の努力で顧客の反応を最大限に知ることのできるバージョン」と定義する。

つまり、フィードバックを得るという目的に特化し、機能を最小限に抑えた製品をつくる。

そうすることにより、無駄な労力を費やすことなく「最初の一歩を踏み出し」、顧客の求める製品を作り上げることが可能になる。

たとえば、Airbnb(エアビーアンドビー)の例を紹介しよう。

Airbnbは、空き部屋を短期間で貸したい人と、旅行などで宿泊地を借りたい人をマッチングするサービスを提供している。

Airbnbは、なんの飾りもないウェブサイトにアパートメントの写真を数点載せただけ、という非常にシンプルな方法でサービスを開始した。

まもなく、3人の顧客がアパートメントのレンタルをしてくれた。
そしてその顧客のフィードバックは、貴重な「検証による学び」をAirbnbに与えてくれた。

MVP(実用最小限の製品)を取り入れて、最小限の努力で前に進みつつ、最大限の正しい情報を得よう。

マイクロバーストを引き起こす

マイクロバーストとは、10分程度の短い時間に強烈な風が生じる気象現象のことだ。

積乱雲から生じる下降気流の柱は時速100キロ近くにも達し、大木が倒れるほどの勢いで地面に打ちつける。

このマイクロバーストという言葉を、10分程度の強い集中力に当てはめよう。

最初の一歩を正しく踏みだせば、やる気とエネルギーが強烈に高まり、マイクロバーストを引き起こす。

たとえば、大規模なレポートを完成させるということを想像してみよう。

最初の一歩として、紙とペンを用意する。

その後、10分程度でできることとして、レポートのアウトラインを書き上げることができる。

これがマイクロバーストだ。

10分間のマイクロバーストで、モチベーションとエネルギーを高めよう。

2.5秒が未来を変える

最新の脳科学および心理学によると、「今」として体験される時間はおよそ2.5秒。

私たちはつねにこの2.5秒を生きていると言える。

大きな成果も突き詰めればこの小さな現在の繰り返しだ。

だが、無駄な行動をしてしまうこともある。

最近のテック企業は「今」の重要性を心得ている。

だから、最近のサービスはとても小さな単位で提供されている。

140文字のツイッター(現X)、フェイスブックやインスタグラムの「いいね」などがそうだ。

ほんの数秒のことだと思うが、始まったら止まらない。

あなたにも、いつのまにか時間が経っていたという経験はないだろうか?

そうした行動を積み重ねていると、何もやり遂げることができなくなる。

「今」の使い方を変えれば、その後の行動は大きく変わる。

2.5秒をモノにして、最初の一歩を有利に踏みだそう。

結び

始めの一歩は小さくてもかまいません。

大切なのは行動を起こすことです。

Netflix創業者たちが示したように、最小限の行動から大きな変化が生まれます。

今日から、あなたの夢の実現に向けた第一歩を踏み出してみませんか?

シンプルな行動から始め、フィードバックを積み重ねながら前進していきましょう。

一歩を踏み出せば、きっと新しい可能性が広がるはずです。

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