第13章 編集 -余剰を削り、本質を取り出す-

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はじめに

あなたの人生にも、ぜひ「編集」を取り入れてみませんか?

編集とは、余計なものを削り落とし、本質を際立たせる作業。

映画の編集技師が切り離す無駄なシーンと同じように、私たちも日々の生活の中で、不要な要素を取り除き、大切なものに集中することが大切なのです。

この章では、編集の達人から学ぶ、人生を「編集」するための4つの原則をご紹介します。

文字数にして約1100字です。
時間にして約3分で読むことができます。

第13章 編集 -余剰を削り、本質を取り出す-

アカデミー賞の歴史のなかでもっとも尊敬されている編集技師にマイケル・カーンという人物がいる。

アカデミー編集賞に8回ノミネートされ、受賞数は3回にのぼる。

カーンが編集した映画は『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』、『プライベート・ライアン』、『シンドラーのリスト』など、数々の超有名作品だ。

編集はエッセンシャル思考の技術である。

不要なものを容赦なく削り、作品の本質を取り出す仕事だ。

すぐれた編集技師は、重要なものがいやでも目に入ってくるようにする。

余分なものを排して、見るべき要素だけを観客に提示するのだ。

PART2の第6章で、すぐれたジャーナリストは部分の集まりから全体像をつくるという話をした。意味のある全体像ができあがったら、次は余分なものを全て切り捨てることだ。

すぐれた編集技師になって、自分の仕事や生き方を完璧に編集しよう。

♢編集の4原則を知る

もちろん、仕事や生き方を編集するのは難しい。

それでも、編集の4つの原則を知っておけば、人生は今よりずっとクリアになる。

1.削除する

編集の基本は、あいまいでわかりにくい要素を排除し、観客や読者の混乱を防ぐことだ。

何かを決めるとき、選択肢を増やした方が安心だと考える人は多い。だが、実を言うと決断の本質は選択肢を減らすことにある。

2.凝縮する

すぐれた編集者は、言葉を減らすことにこだわり抜く。この2文を1文にまとめられないか。2語のところを1語にできないかなどだ。

言葉を凝縮するとは、言いたいことを最大限かつ簡潔にすることだ。

そして、人生を凝縮するということは、結果に対する行動の比率を減らすということ。いくつもの無意味な行動をやめて、重要な行動ひとつに置き換えればいい。

3.修正する

編集の仕事は、削除と凝縮だけではない。間違いを直すのも大事な役目だ。

仕事や生き方でも、自分の本質的な目標を明確にしておけば、それに合わせて行動を修正できる。

もしも間違った方向に進んでいたら、正しく編集し直せばいい。

4.抑制する

すぐれた編集者は、作品に手を入れすぎない。

何でも手術するのが名医というわけではないのと同じで、すぐれた編集者は自分を抑制し、必要なときにしか手を出さない。

まずは立ち止まって様子を見る。すると全体の流れがクリアになる。

「より少なく」というエッセンシャル思考のやり方は、すぐれた編集術でもある。

非エッセンシャル思考の人は、やたらと何にでも手を出して、いざとなったら編集しようとする。

エッセンシャル思考の人で生きるということは、削除と凝縮と修正を、日々の習慣にすることだ。

結び

いかがでしたか?

映画やドラマには、優れた編集技師が隠れています。

彼らは何度も映像を見直し、不要な部分を削ることで作品の核心を際立たせるのです。

同じように、私たち一人ひとりも、自分の人生を丁寧に「編集」する必要があります。

今日からでも、削除、凝縮、修正、そして抑制の4つの原則を実践してみませんか?

ささいな無駄を省き、本当に大切なものだけを残していけば、きっとあなたの人生はよりすっきりとした輝きを放つはずです。

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