はじめに
この記事は『エッセンシャル思考』第3章の要約です。
忙しい毎日を送る皆さん。
真面目に働けば成果は上がると信じていませんか?
しかし、本当にそうでしょうか?
今回は、ある作家の体験から学んだ「努力の賢い選び方」について、お話ししたいと思います。
文字数にして約1200文字。
時間にして約3分程度で読むことができます。
第3章 ノイズ
-大多数のものは無価値である-
第3章はジョージ・オーウェル著『動物農場』に出てくる「ボクサー」という馬のエピソードから始まる。
ボクサーは真面目で屈強。他の動物たちが困難に出会うたびに、「僕がもっと働こう」と言って仕事を引き受ける。結局、ボクサーは働ぎすぎて倒れ、解体業者のもとへ送られる。
私たちもボクサーと同じ思考に陥ってはいないだろうか。
残業を増やして根性で乗り切る。
仕事を抱えていてもトラブル対応まで引き受けようとしていないだろうか。
人は幼いころから努力の大切さを教えられて育つ。
真面目に働けば成果は上がるが、そこには限界があるはずだ。
これ以上労働時間を増やして成果が上がるだろうか。
やることを減らしたほうが、生産性が上がる場合もあるのではないか?
著者は幼少期に人生の大きな学びを得た。経緯は以下の通り。
お小遣い稼ぎのために新聞配達のアルバイトをする。時給は1ポンド。
コスト意識が変わり、欲しいものがあると「新聞配達何日分」と考えるようになった。そこで、もっと早くお金を稼ぐために、隣の家の車を洗車することにした。料金は1台につき2ポンド。1時間で3台できるため時給6ポンド。
その経験から「ある種の努力は、ほかの努力よりも効果が大きい」という学びを得る。
この学びは大学生時代のアルバイトにも生きることとなる。
アルバイトは時給9ドルのカスタマーサービス。
著者は、時間とお金ではなく、時間と成果の関係に着目し、「この仕事でもっとも価値のある成果は何か?」を考えた。
もっとも価値のある成果はなにか。
それは、解約するつもりの顧客を引き止めること。著者はそれに全力を注ぎ、報酬が増え、会社に大きく貢献することができた。
この経験から言えるのは、
「努力は大切だが、成果に比例するとは限らない」ということ。
がむしゃらに頑張るよりも「より少なく、しかしより良く」努力したほうがいい。
♢重要な少数は瑣末な多数に勝る
「80対20の法則(パレートの法則)」
19世紀末に経済学者のヴィルフレド・パレートが提唱する。
成果の80%は20%の努力に起因するという法則だ。
やがて1951年に品質管理の父と呼ばれるジョゼフ・M・ジュランがこの法則を拡張し、「決定的に重要な少数の法則」を唱えた。
ジュランは品質管理の研究をするうちに、問題のごく一部を改善することにより全体の品質が大きく改善されることに気付いた。
彼はこの発見を実証するため、日本の企業にテストプロジェクトを依頼する。
当時の日本製品が「安かろう悪かろう」と言われていた時代。
日本の従業員はジュランの言う通り、重要な問題にだけリソースを集中させた。その結果、品質をめざましく改善させる。
「重要な少数」が「瑣末な多数」に勝る。
すなわち、大多数のものごとには価値がなく、ごく少数のものごとに莫大な価値がある。
努力の量と成果が比例するという考えを捨てたとき、エッセンシャル思考の大切さが見えてくる。
非エッセンシャル思考の人は、大多数の物事が重要だと考える。
エッセンシャル思考の人は、大多数の物事が不要と考える。
結び
いかがでしたでしょうか?
エッセンシャル思考とは、大多数の物事は不要と考え、本当に重要な少数のことだけに集中する考え方です。
日々、やることに追われがちな皆さん、一度立ち止まって「本当に重要なことは何か?」を問い直してみませんか?
そうすれば、無駄な努力から解放され、本当に大切なことに注力できるはずです。
まずは自分の行動を見つめ直し、エッセンシャル思考を実践してみましょう。