『自分を変える方法:いやでも体が動いてしまう、とてつもなく強力な行動科学』
(原題:How To Change: The Science of Getting from Where You Are to Where You Want to Be、著者:ケイティ・ミルクマン、出版:ダイヤモンド社)
著者であるケイティ・ミルクマン教授が自ら行った、研究や調査結果は当然として、
他にも本当に様々なエピソードや日常生活の疑問が登場します。
私がいままで読んだ行動科学の本の中でも、より「一般の目線」だという印象です。
日常生活で感じているたくさんの「疑問あるある」から導き出されています。
本記事では『自分を変える方法』の感想を本文を引用しながら書いていきます。
こんな人に読んでほしい!
・「自分を変えたい」と思う人
・人間の厄介な性質をうまく操りたい人
・いまぶつかっている壁を乗り越えたい人
著者について
ペンシルベニア大学ウォートンスクール教授。行動科学者。
本書より
プリンストン大学でオペレーションズ・リサーチと金融工学で学位取得(最優等)、ハーバード大学でコンピュータ・サイエンスとビジネスのジョイントプログラムで博士号を取得。
2021年度Thinkers50(経営思想家ベスト50)選出。ウォートンスクールで優秀教師賞を何度も受賞している。
ホワイトハウス、Google、米国国防総省、米国赤十字社など、数多くの組織に行動変革のためのアドバイスを行っている。
ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、エコノミスト紙、USAトゥデイ紙など多くのメディアで行動科学に関する記事を頻繁に執筆している。
判断と意思決定のソサエティ元代表、ウォートンスクールの永続的な行動変容イニシアチブ共同代表、行動経済学の成果を広めるポッドキャスト「チョイソロジー」のホストとしても知られる。
本書はノーベル賞受賞行動経済学者のリチャード・セイラーから、Google元CEOエリック・シュミットなど各界で絶賛され、世界的ベストセラーとなった。
お砂糖ひとさじを使う
不思議なことに、私達は長期的な目標をめざすとき、この賢いやり方を真似して目標に「甘み」を加えることをめったにしないことが研究でわかっている。
本文より
「なにかやらなくては」ということばかりに気を取られ過ぎて、
「どうしたら楽しく続けられるか」という「甘み」を考えようとはしません。
たとえば、試験勉強をやるとなったら、ご褒美は成果である「試験の合格」と思ってしまいますよね。
引用した文を見たとき、私は大学生の時に観た「現役東大生が教えるおすすめ勉強法」というインタビューを思い出しました。
インタビューに答えていたのは女性の学生だったと思います。
その人がしていた勉強法は、「過去問を1問解いたら、じゃがりこを食べる」というもの。(私はそれ以来、じゃがりこ勉強法と呼ぶことにしました。)
とても行動科学にかなっていたのだなと思いました。
また、「楽しかった」や「今日はこれができるようになった」と言葉にすることも効果があります。
実は、人は「身体がどう動いているか」や「聞いた言葉」によってそう認識してしまうと研究でわかっています。
つまり、どんなに辛くても「楽しい」と言葉にするだけで楽しいと認識してしまうのです。ある意味怖いですね。
習慣にしたいことをした後は、自分が心地よくなる言葉や身振りしてみてください。
思い込みが「本当のこと」になる
考え方が変わると、身体の「生理機能」が変わる。
本文より
ここでは、ホテルの清掃員を対象としたある調査結果が紹介されています。
その調査の内容は、「期待が現実をどのように変えるか」というもの。
参加した清掃員の内、半数には「健康専門家の推奨する1日の運動量に相当する」と教えられました。
残りの半数には、この情報は教えられませんでした。
調査を開始して4週間後、仕事が健康に良い影響があると教えられた清掃員は
体重が平均で0.9kg減り、血圧が下がり、いつもより運動したと答えたということです。
この調査から言えるのは、
仕事に対する「見方」が変わり、その結果、仕事への向き合い方や取り組み方が変わったということ。
健康に良いと教えられた清掃員にとって、仕事がたちまちエクササイズになったということです。
つまり、思い込みだけで「生理機能」が変化したのです。
この調査結果を知って、普段からやっている筋トレが真っ先に思い浮かびました。
もっと効かせる部位を意識すれば効果的に鍛えられるのではないかと思いました。
意識した場合と、しなかった場合は並行してデータを取れないのでなんとも言えませんが…。
しかし、やるからには目的意識をちゃんと持つことは大切だと思いました。
「自信を持てる環境」に身を置く
目標をめざす人にとって、自信過剰がプラスにもマイナスにもなり得るのに対し、自信過少はマイナスでしかないのだから、自信を失わないようにすることは重要だ。
本文より
とある調査によると、人間が行動しない理由を探ったところ
知識不足よりも自信不足が原因ということが明らかになりました。
自信不足の状態を、スタンフォード大学の著名な心理学者であるアルバート・バンデューラが「自己効力感の欠如」と呼びました。
自己効力感とは、「自分の行動やモチベーション、社会的状況をコントロールできる」という自信のことです。
「変われないと思っている人は変わることができない」
当たり前のことですが、ブレーキをかけているのは自分だという認識を持つことが大切だと思いました。
本書でも著者自身が述べていますが、1章丸々「自信の形成」にあてています。
行動科学の本では初めてだと思います。
それほど「自信」を持つことは大切だということですね。
あなたのいまいる環境は自信が持てる環境ですか?
掃除しても「まだここが汚れている」とか
自分なりに仕事を頑張っても「本当はこうしてほしかった」とか
足りない部分に目を向けられて、無力感を感じていませんか?
残念ながら、いまいる環境は自分が選んだ結果です。
しかし、だからこそ、自分自身で変えることもできます。
同じことに取り組んでいる人。
自分の考えを尊重してくれる人。
応援してくれる人。
自分が自信を持てる環境に身を置いて、無駄なブレーキをかけないようにしましょう。
この「自信」の章の最後はこう締めくくってあります。
「できると信じれば、半分できたも同じ」
結び
この記事では、『自分を変える方法』の感想を書きました。
この本は
・「自分を変えたい」と思う人
・人間の厄介な性質をうまく操りたい人
・いまぶつかっている壁を乗り越えたい人
にぜひ読んでほしいです。
自分に自信を持って、楽しく一歩を踏み出していきましょう。
そのうち、要約もしようと思いますので読んでみたいと思う方はX(旧ツイッター)をフォローしてください。
そちらで告知します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も経験から得た教訓や、本から得た知識、読んだ本の感想を書いていきます。
また読みにきていただけたらとても嬉しいです。
そして、この記事の内容があなたのお役に立てればなによりです。