第4章 RESET -休息- 「休み」で脳をリセットする

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はじめに

忙しい毎日で疲れを感じていませんか?

睡眠不足は様々な悪影響を及ぼします。

ストレスから開放され、最高のパフォーマンスを発揮するためには、適切な休息が欠かせません。

この章では、忙しいあなたに、エフォートレスな休み方のコツを紹介します。

ささやかな工夫で、日々の生活に潤いを取り入れることができます。

第4章 RESET -休息- 「休み」で脳をリセットする

眼科外科医のジェリー・スウェールはすべてを頑張ってこなそうとする人間だった。

限界まで働くのは彼のスタイルだったが、それもだんだん難しくなってきた。

56歳のとき、両手に発疹が現れたのだ。

このままでは仕事に影響するかと思っていたが、忙しいため医者に行くのを先送りにしていた。

そしてあるとき、彼はふと気づいた。

こうしていても、時間が勝手に降ってくるわけではない。

治療を受けたいなら、自分で時間を作るしかない。

数十年のキャリアで、彼ははじめて自分自身のケアを優先することにした。

彼は、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、勤務時間の短縮をしたいと言ってみた。

ありがたいことに、みんなすぐ理解してくれた。

彼は皮膚科で治療を受けた。そして、健康のために毎日自転車に乗り、8時間睡眠をとることにした。

5、6時間の睡眠で充分だと、自分に言い聞かせていたのだ。

まもなくビジネスパートナーだった医者が急な事情で仕事を辞めることになり、ジェリーがすべての患者を引き受けることになった。

以前の彼だったら、すべてこなそうと無理をしていたかもしれない。

だが、休むことを学んだいま、彼は無理をしようとしなかった。

自分にできることと、できないことを冷静に考えることができた。

このように十分な休息は、未来のストレスを減らすためにも役に立つ。

この章では休息の大切さを紹介していく。

一流の人は休み方を心得ている

休むことを学ぶ必要はないと思うかもしれない。だが、現代の忙しい生活のなかで、多くの人はリラックスする方法を忘れている。

なにもしないでいることを苦痛に感じるのだ。

メジャーリーグの多くの球団で監督を務めたことがあるジョー・マドン監督は、野球選手にも休むのが苦手な人が多いという。大谷翔平選手が所属していたメジャーリーグのロサンゼルス・エンジェルスの監督も務めたことがある。

野球のシーズンは長い。160試合以上もある。1日1試合でも5カ月以上かかる。

そして、長いときには1カ月半ものあいだ、ほぼ休みなく試合をすることもある。

そんななか、マドン監督は別のアプローチをとることにしたのだ。

彼は、8月の暑い時期に、1週間の特別期間を設けることにした。

特別怠けてもいい1週間だ。

試合にだけ顔を出せばいい。寝坊してもいい。昼寝をしてもいい。

アマチュアだったころのように、気楽にやろうじゃないか。

マドン監督は、このやり方で多くのチームで成果をあげた。

最近の心理学の研究でも、マドン監督のやり方が正しい事を証明している。

「なにもしない」技術を身につけよう。

リラックスも仕事のうちだ。

そうは言っても、やりすぎと不十分のあいだのちょうどいいポイントを見つけるのは意外と難しい。

1日の疲れは1日で癒せるように、やることの量を調整する

というルールに従ってみよう。

また、心身の疲れを防ぐためにもっとも簡単な方法は、短い休憩を頻繁にとることだ。

たとえば、以下のようなルールをつくってみよう。

1.午前中に最優先の仕事をする

2.その仕事を90分以内の3つのセクションに分割する

3.それぞれのセッションのあいだに、15分程度の短い休憩を取り、頭と体を休ませる

一流の人たちがやっているように、1日のリズムを計画的に整えて、最高のパフォーマンスを出そう。

睡眠負債は認知機能を低下させる

現代人は慢性的に寝不足だ。

50年前の人と比べて、平均で2時間ほど睡眠時間が短くなっているという調査結果もある。

そして、睡眠不足は様々な悪影響を及ぼす。

1日の睡眠時間が7時間未満の人は、心臓病、喘息、関節炎、鬱になりやすい。さらに、肥満のリスクが約8倍になる。

ある研究では、睡眠時間が6時間未満の場合、運動機能や認知機能がかなり低下することがわかった。

怖いのは睡眠不足の影響に自分では気づきにくいことだ。

睡眠不足になるたびに「睡眠負債」は積み重なる。10日も睡眠不足がつづけば、睡眠負債が増えすぎて、1日徹夜したのと同じ状態になってしまう。

自分の体と心のために、たっぷりと睡眠をとろう。

睡眠負債に打ち勝つ秘密兵器

睡眠負債を返すための秘密兵器は昼寝だ。

昼寝をすると脳の反応速度が上がり、論理的思考や記号認識のパフォーマンスが上がることがわかっている。

また、気分も安定し、苛立ちや衝動性が減る。

90分の昼寝で、8時間の睡眠と同程度の学習能力向上が見られたと報告もある。

私たちも眠ることに対する罪悪感を捨てて、昼寝をしてみたらどうだろう。

エフォートレスな昼寝のコツは、以下の4つだ。

1.疲れて集中力が低下してくる時間帯を選ぶ

2.アイマスクと耳栓またはノイズキャンセラーで暗く静かな環境をつくる

3.起きたい時間にアラームをセットする

4.昼寝をするときには、他のやるべきことはいっさい考えない

寝て起きたらもっと効率的にタスクをこなせるのだと意識する

昼寝を上手に活用してみよう。

結び

人生は短く、無駄に体力を消耗するべきではありません。

十分な休養をとることで、心身ともにリフレッシュできます。

まずは小さなことから始めて、徐々にエフォートレスな休息法を取り入れていってください。

きっと毎日が有意義で充実したものになり、ストレスから解放されるはずです。

一歩を踏み出す勇気を持ち、新しいライフスタイルを手に入れましょう。

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