第15章 PREVENT -予防- 問題が起こる前に解決する

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はじめに

この記事の内容は、『エフォートレス思考』第14章 TRUST -信頼- 不信のコストを削減する
の要約です。

この章では、信頼がもたらす累積的な結果について説明しています。

私たちは人と関わって生活しています。
そして、人間関係においての基盤は「信頼」です。

特にビジネスにおいての「信頼」の大切さを説明します。

今よりも、より大きな成果を出したい。
大きなチャンスを掴みたいという人は是非最後までご覧ください。

この記事の文字数は約1700文字です。
約4分で読むことができます。

第15章 PREVENT -予防- 問題が起こる前に解決する

1977年、アリ・マオ・マーランは、ソマリアのメルカという町で病院の料理人をしていた。

この地で天然痘の流行が起こり、彼は感染した2人の子どもを隔離キャンプに連れていく案内役を志願した。

本当は事前に予防接種を受けるべきだったが、移動時間はほんの10分だし、まず感染することはないだろうとマーランは思った。

症状が出たころにはすでに家族や友人と接触していた。

WHOが急遽対策チームを派遣し、2週間かけて地域の5万4777人にワクチン接種をおこなってなんとか蔓延を食い止めた。

マーランが1本の注射を受けていれば、回避できたはずの出来事だった。

この話にはハッピーエンドがある。

数年にわたる天然痘撲滅キャンペーンの幕がついに下りたのだ。

1978年4月17日、アリ・マオ・マーランは世界で最後の天然痘患者となった。

20世紀に3億人もの死者を出した天然痘は、ついに研究室のなかだけのものとなった。

予防が累積的な成果を生むというのは、直感的にわかりづらいかもしれない。

だが、たった一度の介入で計り知れない数の命を救い、数世紀にわたってつづいてきた問題を根絶したのである。

♢時間管理のロングテール

なぜ多くの人は、問題を必要以上に長く我慢してしまうのだろうか。

それは問題を解決するよりも、ごまかすほうが手軽だからだ。

だが、長期的な視点でみるとどうだろうか。

一度だけ手間をかけて根本的に解決したほうがずっとコストが低い。

長期的にはきちんと直した方がお得なのだ。

著者はこれを「時間管理のロングテール」と呼んでいる。

ロングテールの視点で時間を投資すれば、長い時間にわたって持続的な利益を得ることができる。

だが人は、気になってはいるが、わざわざ解決するまでもないと感じてしまう。

その癖を直すために、自分自身に以下の問いをしてみよう。

1.自分を何度もイライラさせる問題はなにか?

2.その問題を放置した場合の年間コストはどれくらいか?

3.それを解決するために、数分ですぐにできるステップはなにか?

目標は、最小の時間で解決できる、最大のイライラを見つけることだ。

何度も繰り返される問題を解決するために、短時間だけきちんと取り組もう。

♢枝葉ではなく、根を叩く

問題を防ぎたいなら、根をしっかりと叩かなくてはならない。

たとえば、「子どもが毎日部屋を散らかすので、小言をいいながら後始末をする」が枝葉だとすれば、

楽しく片づけられるポジティブな習慣を子どもに身につけさせる。

♢2回測って1回切る

2014年、フランスの風刺新聞カナール・アンシェネは、フランスの鉄道駅で奇妙な事態が起こっていることに気づいた。

複数の駅のホームの幅が、なぜが少しずつ狭くなっているようだった。

同紙はフランスの国営鉄道会社SNCFに問い合わせたが、広報担当は口を閉ざしていた。

記者たちはさらに調査を続けた。

すると、意外な原因が明らかになった。

その年の初めに、SNCFは200億ドルを投じて、2000両の新しい車両を導入していた。

そう、車両が駅のサイズに合わなかったのだ。

ホームの寸法は測定している。だが、30年以内に建設されたホームだけ測定されていた。

しかし、地方にあるホームの多くは50年以上前に建設されたもので、今より狭い規格でつくられていた。

すべてのホームが、30年以内に建設されたものと同じ寸法だろうと思いこんでいたのだ。

多くの駅でホームがせり出しすぎて、車両を通すには約20cmほど削る必要があった。

国営の鉄道会社なので、もちろん費用は国民の税金だ。

この工事の為に、納税者が負担するコストは全体で6500万ドルにもなった。

ひとつの小さな仮定が検証されないまま車両がつくられ、2000両も購入される。

それほど規模は大きくなくても、誰もが似たような失敗を経験しているはずだ。

子どもの頃、図画工作の時間に「2回測って1回切りましょう」といわれなかっただろうか。

ひとつミスがあると、ドミノ倒しのように連鎖する。

ミスを未然に防ぐことは、そのあとにつづく無数の連鎖反応を防ぐことにもつながる。

結び

いかがでしたでしょうか?

誰しもミスをしたくてしているわけではありませんが

徹底的な確認は必要ですね。

特に、「2回測って1回切る」で出てきたエピソードのように

大きなプロジェクトになるほど注意が必要です。

色んな人が意見を言い合える雰囲気というのも、大切ではないかと思います。

他にもいろんな研究内容やエピソードが載っています。
ぜひ読んでください!

『エフォートレス思考』はこちらからどうぞ。

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