はじめに
現代社会では仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちですが、自分の大切な領域を守ることは欠かせません。
無秩序に時間を浪費してしまえば、何一つまともにできなくなってしまう可能性も。
一方で、適切に境界線を設けることで、心身ともにゆとりを持てるようになります。
この章では、自分の領域を確保し、本当に大切なことに集中するための、エッセンシャリストならではの賢い線引きの方法をご紹介します。
文字数にして1200字です。
時間にして約3分で読むことができます。
第14章 線引き
-境界を決めると自由になれる-
現代は、仕事とプライベートの線引きが難しい時代である。
通信手段が進化したおかげで、24時間連絡がつくのが当たり前になり、休日も対応を迫られることが珍しくなくなった。
仕事は一方的にプライベートを浸食しようとしている。
もしも月曜日の朝に子どもたちを連れて会社に遊びにきたら、おかしな気がするはずだ。それなのに土日に家や会社で仕事をすることは、自然な行動のように思われる。
休日だからといって仕事を断り続けることも難しい。最悪仕事を失うこともも考えられる。
だからといって、境界線を放棄してしまったら、人生でもっとも大事なものを選べなくなる。
自分で線を引かなければ、自分の領域は守れない。
非エッセンシャル思考の人は、境界線などなくしたほうが、仕事ができると思っている。しかし、それは思い上がりだ。あまり無理をしていると、忙しすぎてなにひとつまともに完成させられなくなってしまう。
一方、エッセンシャル思考の人は境界線を上手に利用する。
一線を引くことで自分の時間を守り、他人からの余計な干渉を防ぐ。
♢面倒くさい人たちと一線を画する
線引きが必要なのは仕事だけではない。友人や近所の人が、あなたの時間を奪っていくこともある。
ここでは、自分の領域を守るためのヒントを紹介する。
・他人の問題を横取りしない
他人の役に立つのは嬉しい事だが、本人が解決すべき問題を肩代わりするのは人助けではない。
その人は問題を解決しようとしなくなり、余計に問題から抜け出せなくなってしまう。
本人の解決すべき問題は、本人に解決させる。
それがあなたのためであり、相手のためでもある。
・境界線を引いて自由になる
交通量の多い道路に面した学校を想像してほしい。
初めのうちは危ないので校庭の片隅した使わせてもらえない。
だが、校庭の周りにフェンスが設置されると、子どもたちは校庭をめいっぱい使えるようになる。それまでよりもずっと大きい自由が手に入る。
同じように、私たちも自分の境界を定めなければ、他人の侵入を受けてどんどん居場所がなくなっていく。
・自分の境界線がどこかを知る
自分の境界線を知る方法は2つある。
まずは、いつも足を引っ張ってくる相手を思い出すこと。
どんな頼みをされたときに、さすがに断るしかないと思っただろうか考えてみよう。
2つめは、他人に侵害されてイラっとした出来事を挙げてみよう。
この2つが境界線を知るヒントだ。
・難しい相手とは契約を結ぶ
著者はあるプロジェクトで、仕事のやり方が正反対の同僚とペアを組んだことがある。周りの予想に反して、とても良好な関係を保っていた。
なぜか?
その秘訣は、仕事を始める前にやり方を明確にしたからだ。
自分が何を優先するか、何が妥協できて何ができないか、その線引きを宣言した。
私たちはお互いを侵害しないように契約を結んだ。
その結果、最後まで気持ちよく仕事をして素晴らしい成果をあげることができた。
これらのことは最初は難しいかもしれないが、練習すれば線を引くことはどんどん簡単になる。
結び
仕事、プライベート、そして他人との適切な境界線を設けることで、かえってゆとりと自由が手に入ります。
まずは自分の限界線を意識し、それを侵す「無駄」な要素を排除する。
今日から実践してみませんか?
そうすれば必ず、あなたの人生の核心が際立ってくるはずです。