はじめに
この記事の内容は『サイコロジー・オブ・マネー』序文
の要約です。
本書は全20章で構成されています。
内容は全て本書から引用しています。
この本は、こんな人におすすめです。
・お金の勉強をしている人
・投資している人
・一生お金に困りたくない人
この記事の文字数は約1800文字です。
約4分で読むことができます。
序文
本書の根本的な主張は、
「お金と上手く付き合うには、頭の良さより、行動が大切だ」
というものだ。
天才も、感情をコントロールできなければ破産することがある。
逆もまた然りだ。
金融の専門知識がない普通の人でも、ごく単純な行動を実践すれば裕福になれることがある。
♢なぜ、地味な清掃員が800万ドルもの資産を残せたか?
2014年、この年に他界したアメリカ人は281万3503人。
そのうち死亡時に800万ドル(当時で約8000万円)以上の純資産を持っていたのは4000人にも満たない。
ロナルド・ジェームズ・リードはそのうちの1人だった。
彼はガソリンスタンドで接客と自動車の整備の仕事を25年間勤め、その後は百貨店の清掃員として17年間パートタイムで働いた。
知人たちは驚いた。
清掃員だった彼が、いったいどこでそんな大金を手にしたのか?
彼は若いころから節約して金を貯め、それを優良株に投資しただけだった。
リードが亡くなる数カ月前、リチャード・フスコーンという男性が世間の話題になった。
フスコーンはリードとはなにもかも正反対だ。
ハーバード大学を卒業し、MBA(経営学修士)を取得。
金融業界で大成功を収めた後、40代の若さで引退して慈善家になった。
だが、ほどなくしてフスコーンの人生は大転落することになる。
2000年代半ば、多額の借金をして屋敷を大規模に増築した。
月に9万ドル(1000万円)以上もかかる豪邸になった。
そして2008年、世界金融危機が発生した。
フスコーンの自宅は差し押さえられ、豪邸は競売にかけられた。
大規模な増築をした豪邸は、保険会社が試算した価値より75%も低い価格で落札された。
ロナルド・リードは忍耐強く、リチャード・フスコーンは欲深かった。
ただそれだけの違いが、2人の間にある圧倒的な知識と経験の差を埋めた。
♢経済的成功のカギは「ソフトスキル」
著者が対照的な2人のエピソードを紹介したのは、このような逆転はファイナンスの世界にしか起こり得ないものだと思ったからだ。
他の世界では逆転はまず考えられない。
ロナルド・リードがハーバード大学出身の外科医よりもうまく心臓移植手術を行えるとは思えない。
なぜファイナンスの世界では、清掃員のリードがトップエリートのフスコーンに負けない成果を出しえるのか?
それは2つの理由から説明できる。
1つめは「運」に左右される部分が大きいということ。
2つめは、経済的な成功は「ハードサイエンス(物理学や数学などの分野)」では得られないということ。
著者は2つめの理由を一般的だと考えている。
経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な
「ソフトスキル」の問題だ。
著者はこの「ソフトスキル」を
「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」
と呼んでいる。
ファイナンスの世界では、「何をすべきか知っていることと、その人が実際に取る行動はまったくの別物」なのだ。
♢お金の付き合い方は、「人間心理」から学べる
著者がお金の人間心理について深く考察するようになったきっかけは、10年以上にわたりファイナンスについての記事を書いたことだった。
書き始めたのは、2008年の初め。ちょうど世界金融危機が起きたところで、世界経済は80年間で最悪の不況に見舞われていた。
金融危機について学び、書くほどに、この問題はファイナンスではなく、心理学や歴史のレンズを通したほうがより良く理解できるという確信を抱いた。
人がなぜ借金をするのかは、金利の専門知識を学んでも理解できない。
必要なのは、人間の欲望や不安、楽観主義の歴史を学ぶことだ。
本書は、人間の「欠点」「偏見」「悪しき行動の原因」などのテーマをさらに深く掘り下げている。
結び
いかがでしたでしょうか?
「お金との付き合い方は、人間心理から学べる」
という一文がとても魅力的ですね。
次の記事から本書の内容に入っていきます。
これからのお金との付き合い方を学べる内容ですので
引き続きご覧ください。
他にもいろんな研究内容やエピソードが載っています。
ぜひ読んでください!
『サイコロジー・オブ・マネー』はこちらからどうぞ。