「前向きに考えることができません」
けっこう、相談される内容です。
よくよく話を聞いてみると、そもそも「前向きな考え」という選択肢がない場合が多いです。
この記事では、前向きになるための考え方について
心理学と、行動科学の観点から書いていきます。
この記事は、こんな人に読んでほしい!
・前向きに考えたいと思っている人
・なぜ、前向きに考えられないのかを知りたい人
「アフェクト」を意識する
「アフェクト」とは行動経済学の用語で、
『一瞬よぎる、微妙な感情』のことです。
例えば、こんな実験があります。
温かい飲み物、もしくは冷たい飲み物を持って、初対面の人の印象に差は出るか?
というもの。
温かい飲み物を持ったグループは、「優しそう」「あたたかそう」という印象を持ちました。
冷たい飲み物を持ったグループは、「冷たそう」「厳しそう」という印象を持ちました。
『行動経済学が最強の学問である』にはこんなケースも紹介されていました。
自動車の安全性能を売り込むときに、どんなボディカラーの車を選ぶか?
にも、アフェクトが使われています。
まず、選ぶべきではない色として、「赤」があります。
なぜなら、「危険」や「警戒」を無意識に連想させる色だからです。
ですので、クリーンな印象の「白」を選んだ方が無難というわけです。
アフェクトは「無意識」です。
しかし、意識することはできます。
例えば、疲れたときはホッと一息。
というように、あたたかいコーヒーを飲む人は多いと思います。
これは前向きなアフェクトを促す行動として、理にかなっているというわけです。
「前向き」を見つける
前向きになれない理由として、そもそも「前向き」を見つけられていない…
ということがあるかもしれません。
『思考の穴』の感想でも紹介しましたが、どんな感情を選ぶかはビュッフェ形式で料理を選ぶのと一緒です。
たとえば、「ここに、いろんなフルーツがあります。この中から好きなフルーツを選んでください」
と言われたとしましょう。
リンゴが好きなんだけれど、見当たらない。
だから、ミカンを選んだ。
「前向き」に考えられないことも一緒です。
起こったことに対して、良い考え方ができない。
もしくは、最初から考えることを諦めてしまっているのかもしれません。
そうするとやることは、「リンゴを見つけること」です。
自分の目で見つけるには限界があります。
というのも、「そこにリンゴはない」と思い込んでしまっているからです。
そういうときは、「人に聞く」というのが有効な手段となります。
思考も習慣化と同じ
人の思考は、環境と、いままでどのような思考をしてきたか、という「癖」の影響を受けます。
いわば習慣です。
運動を習慣化するときに、いきなり毎日10キロ走ろうとするのが難しいように、
思考もいきなり変えるのは難しいのです。
いままで、前向きな考えをできていなかった人に、「前向きになれ」というのは
いきなり毎日10キロ走ろうとすることと同じことです。
ですので、まずは「前向き」な感情にならなくてもいいので、
選択肢として見つけることから始めてみませんか?
物事には、必ず二面性があります。
良い事もあれば、悪い事もある。
悪い事もあれば、良い事もある。
「ちょっと嫌な気持ちになったけど、こう考えることもできるな」
嫌な気持ちになったら、良い方にはどう捉えられるか?
を習慣にしましょう。
結び
いかがでしたでしょうか。
この記事では、前向きになるための考え方について書きました。
思考も習慣です。
何度も繰り返すことにより、意識しなくても前向きに考えられることはできるようになります。
最後に、何度も言いますが、どの感情を選ぶかは自分自身です。
まずはいろんな感情を選べるように、いろんな考え方をできるようになりましょう。
忙しい妻のために、読んだ本の要約をしています。
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