あるのは「システムエラー」だけ

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2024年1月23日午前中、東北新幹線の運転見合わせのニュースがありました。
原因は、上野駅と大宮駅の間の架線が垂れ下がっていることによるもの、だそうです。

そして、その日の夕方、今度は作業員2名が感電したとニュースがありました。

私自身、電気系の技術員として仕事をしています。
ですので、「明日は我が身」と心がキュッとなりながらも、そのニュースをみていました。

この記事では、今回の件について思ったことを書いていきます。

目次

「ヒューマンエラー」はない

この感電事故のニュースを見たとき、真っ先に思い起こしたことが、
キングコング、西野亮廣さんの本『夢と金』の内容です。

この記事のタイトルも本書からの引用です。

そして、15ページにはこのように書かれています。

世の中にヒューマンエラーはない。あるのはシステムエラーだけだ。

本文より

これは私も同意します。
決して、責任逃れではありません。

仕事では、なにかミスが起こると、ミスを起こした当事者に矛先が向きます。
「なぜそうしたのか?」という原因や、犯人捜しをしてしまいます。

かくいう私も、恥ずかしながら仕事で2回、感電をしています。
なぜ感電したのか?
なぜ電気が通っている状態で作業したのか?
なぜ電気が通っていないことを確認しなかったのか?

そのときのことを思い返すことって難しい。
そして、何を言っても言い訳になってしまいます。

「なぜなぜ」を何回かやって…。と形式ばかりの書類を書き、
次は気をつけようと漠然と考える。

そして、それは個人だけの取り組みになり、組織としてどう防いでいくか?
というところまでは、辿り着かない。

当事者だけが一生懸命考えても、
偉い人に怒られようとも、
「次は気をつけてね」で終わってしまいます。

そもそも「ヒューマンエラー」とするには無理がある

「そもそも、人はミスをする」のに「なぜ個人レベルで再発防止をしようとするのか」
おかしな話だと思いませんか?

注意力も違えば、経験も違う。
もっといえば、人それぞれ思考も違うのに「個人」に任せるのはどう考えても再発の可能性が高いです。

加えて、ただでさえ異常事態の中なのに、普段通りに考えろと言うほうが無理があるのです。

たとえば、試験中に頭が真っ白になったという経験はないでしょうか?
時間的にも、精神的にもストレスを感じると、人間は認知機能が低下します。

普段よりもミスをする可能性のほうが高いのです。
なので、そもそも原因を「ヒューマンエラー」とするのは、無理があると思います。

ミスをしたその人は、今後はしないかもしれません。
ですが、違う人が同じ作業をするとき、同じミスを起こさないようにするのが
問題解決の本質です。

ですので、誰がやっても最悪の事態を避けることができる、
システムを構築することが大切だと、改めて思いました。

結び

西野さんの『夢と金』には、ミスをする原因は、結局「お金」に辿り着くと結論づけています。

東北新幹線を始め、複数の鉄道が運転を見合わせました。
経済的な損失も計り知れなかったことでしょう。

損失を少しでも減らすために、早く復旧しようとした。
しかし、急ぐあまりに命に関わる事故になっては、本末転倒です。

お金と時間は確かに大切。
ですが、それは命あってこそです。

目の前の利益にとらわれず、もっと先にある大切なものを守る。
まずはそれを念頭に置こうと、改めて思いました。

忙しい妻のために、読んだ本の要約をしています。
noteで公開しているので、通勤、お昼休み、寝る前の読み物として読んでみてください。

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